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カード犯罪が増加している

クレジット犯罪の概要
日本で実際によく発生するカード犯罪は、次のものです。
①他人のカードを使ってクレジット会社の現金自動支払機から現金を引き出す
この場合はクレジット会社に対する「窃盗罪」となります。
②支払う意思も能力もなくカードによって商品を購入する
加盟店に対する「詐欺罪」が成立します。判例は、自分名義のカードであっても、代金支払いの意思もなく、支払いの能力もなく、このような事情を知らない加盟店から時計等数点を購入して、決済資金を全く振り込まなかった場合には詐欺罪が成立するとしています。
③偽造カードにより商品を購入する
偽造カードによる被害総額は平成二一年中は四九・二億円でした((社)日本クレジット協会調べ)。偽造カードは「スキミング」といわれる手法で作成され、これは各種の店舗に設置されているクレジットカード会社の照会端末機に特殊機器を仕掛け、カードの磁気データをひそかに人手し、そのデータを原版(生カード)に転写するという手口です。偽造カードによる購入では、偽造された元のクレジットカードの所持者には支払義務はありません。偽造カードで商品を購入した場合、刑法の詐欺罪(一〇年以下の懲役)が適用されていましたが、カード偽造が激増したことから、法改正が行われ、①カードの偽造と使用は一〇年以下の懲役または一〇〇万円以下の罰金、②不正(偽造・盗難)カードの所持は五年以下の懲役または五〇万円以下の罰金、③スキミング行為(不正作出準備)は三年以下の懲役または五〇万円以下の罰金が科されます(「支払用カード電磁的記録に関する罪」)。

海外旅行と力-ド犯罪の増加
旅行先でカードで買物をした際に、加盟店が架空のカード売上げ伝票を作成し、帰国してみたら実際に買った額を大きく上回る請求が何件も来たなどという事件が発生しています。また現地ホテルの従業員が名義人の氏名、カード番号、カードの種類、パスポート番号等を大規模なカード偽造組織に流していたものもありました。この事件は偽造されたカードで多額の貴金属等が購入され、名義人にカード会社から連絡が来て初めて発覚したというものです。このような場合には偽造力ードが使用された当時、名義人がその国にいなかったことの証明など、被害者の側でもかなり面倒な手続きが必要となります。なお、国際カードの利用上の一般的な注意としては、カード契約の内容を十分知っておくことです。例えば、支払方法、円換算の時点などです。また、盗難・紛失などの場合に、現地でどういう手続きをとったらよいかも、事前に熟知しておきましょう。

友人にクレジットカードを貸したときの支払義務

原則として全額の支払義務がある
友人から頼まれて、気軽に自分名義のクレジットカードを貸したなどという人がいますが、はたしてそんなに気軽にできることでしょうか。実際にこのような行為から大きなトラブルが発生する場合がよくあるのです。クレジットカードは自分の所有物と考えている人を見受けますが、実はそうではないのです。クレジットカードの所有権は会員にではなく、カード会社にあります。そして、会員規約によってクレジットカードを会員が他人に貸すことは禁止されています。

さらにカードを他人に貸した場合には、その他人によって使用された部分に関しても、会員自身が使用したものとして会員に支払義務が生じる旨が会員規約に定められています。したがって、会員がカードを他人に貸し与えた場合で、使用する金額をいくらまでと約束していた場合であっても、その約束の金額を超えて使用された部分についても、原則として会員がその全額を支払う義務を負います。もちろん、会員はカードを使用した者に対しては、利用した全額を請求することはできます。

支払いを拒絶できる場合はないのか
カードを他人に貸し与えた会員は、その使用された全額について支払義務を負うのが原則ですが、場合によっては会員が他人に使用を認めた金額を超える部分については支払いを免れるときもあります。この場合に気を付けて欲しいのは、たとえこのような場合でも、会員が他人に使用を認めた部分については支払を免れることはできないということです。もともと他人にカードを貸し与えること自体が会員規約に違反しているのですが、約束した金額以上に使用された場合は、その約束を超える部分についての不正使用については、カード会社や販売店がある程度の注意をすることによって不正使用を防止しようとすればできたという状況で、不注意でその不正を見逃してしまったという場合は会員が支払義務を免れることがあります。

たとえば、署名をきちんと確認しておけば問題がなかったのに、販売店がいい加減な確認しかしなかったというような場合には支払いを拒絶できるものと考えられます。しかし、いかに場合によっては支払いを拒絶できることもあるとはいえ、本来クレジットカードは名義人だけが使用するものであり、他人に譲り渡したり、貸したりすること自体が問題なのです。つまり、クレジットカードの譲渡・貸与をしたら、何かそれによってトラブルが発生した場合は原因は自分にあると考えるべきです。トラブルに巻き込まれるのが嫌なら、クレジットカードの管理には十分気を付けて、他人の手に渡ることのないようにすることが最も肝心なことなのです。

車担保金融の悪質商法の手口

車担保金融の悪質商法の手口の実例(改正貸金業法施行前のケース)
事務機OA機器販売・リース業を営む高野さん(仮名・三九歳)は、電話帳に掲載されていた広告で知った貸金業者のK社から車を担保にお金を借りて、三日間で三割(月利三〇割)という超高金利を支払わされるという被害に遭いました。高野さんがK社のことを知ったのは、電話帳に掲載されていた貸金業の営業広告によるものでした。高野さんは、愛車の日産ローレルを担保に提供して一〇万円を借用しました。その際、車検証・住民票・印鑑証明書・委任状、それに自分が一〇万円を確かに受け取ったというK社宛の領収書を相手方に渡しました。

これに対して、K社は、返済日を一か月後に設定したうえで、その日までの一か月分の利息として、元本の三割(月利三割、年利三六割)の三万円を天引きして、現金七万円しか交付してくれませんでした。しかも、最初の話では、「車を預けずに自由に乗り回してもよい」ということでしたが、実際には話と異なり、車を預けさせられ、一か月後の返済期限まで車を利用できなくなってしまったのです。車を自由に乗り回せるなら多少高い金利でも仕方がないとあきらめていた高野さんでしたが、ここまで話が違ってきてはもう納得がいきません。

そこで、その翌日、高野さんはK社に電話して、「明日返金したいので、車を返して欲しい」と申し出ると、応対してくれた女性の担当者から、「貸し付けた一〇万円は耳をそろえて持ってきてくれるんでしょうね。そうでなければ、車は返せませんよ」と申し渡されてしまいました。結局、高野さんは、一〇万円を一か月間借りられるのなら利息として三万円取られてもしかたがないと思って契約したわけですが、たった三日間借りただけなのに、利息として一か月分に相当する三万円を取られるはめに陥ってしまいました。

これは月利三〇割、年利三六〇割に相当する超高金利ということになります。高野さんはどうしても納得がいかず、警察署の防犯課に電話しました。しかし、パトカーと自転車で三名の警官が駆けつけましたが、K社は「契約時に一〇万円貸し付けたことは間違いのないことで、高野さんが確かに一〇万円受け取ったというK社宛の領収書もある。一〇万円貸して、一〇万円返してもらうのにどこが悪いか」としきりに主張するので、駆けつけた警官もどうしようもなく、「民事不介入」ということで、早々に引き上げてしまいました。

株式担保金融の悪質商法の手口

株式担保金融の悪質商法の手口の実例(改正貸金業法施行前のケース)
モーテルを経営している中田さん(仮名・七四歳)にY商事から電話勧誘があったのは、一月半ほど前のことでした。「株式の購入資金をご融資します。金利は年利で一〇・九五%です。担保としてお手持ちの株券を預けていただくか、保証金を預けていただきます。差し入れていただいた担保の五倍までご融資いたします。ご購入される株式の銘柄についても豊富な情報をご提供できますので、安心してお取引ができます。ぜひこの機会に株で儲けてください。なお、お取引させていただくには、まず契約金として先に五万円を入金していただきます。

ご入金を確認でき次第、すぐお取引を開始します」という話に中田さんはその気になりました。そこで、五万円を相手方の口座に振り込んだところ、相手方から送付されてきた取引約定書と計算書には金利が年利一四・六〇%(日歩四銭)と記載されていました。中田さんはさっそく担当者に電話して、「金利が約束と違う」と抗議しましたが、「最初の取引なので、中田さんの信用がつくまでその金利でお願いします」と言われました。T工業の株式二〇〇〇株を単価六七五円で買い付けてもらったら、株価は二日後に高値七七九円をつけ、五日後には高値七九三円(終値七四五円)をつけたので、中田さんは「すぐに売りたい」と担当者に申し入れました。

しかし、「まだ、上がりますから、今売るのは損ですよ」などと言われ、売れなくなってしまいました。それから三週間ほど経った頃、株価が七五三円へと下がってきたので、証券会社に勤める知人に相談したところ、「即刻売るべきだ」とのアドバイスを受け、すぐさま担当者に電話を入れて、「即刻売りたい」と強く申入れをしました。ところが、この時も、「今売手を能(ふるい)にかけているところですから、もう少し様子を見てください」などと訳のわからないことを言われ、売らないよう誘導されました。

それからさらに一週間ほど経った頃、株価がついに買値以下の六七一円まで下落したので、中山さんは焦って担当者に電話して、「何としてでも即刻売りたい」と申し入れましたが、「今下げの原因が分からず調査しているところですから、ちょっと待ってください」などと言って、この時も売ってくれませんでした。その三日後、午前中に株価が五九五円まで下落したので、担当者に電話して、「なぜ今まで売ってくれなかったのか」と抗議しましたが、「もう少し様子を見てください。そのあとこちらから電話しますから」と言ったきり、その後担当者から電話はかかってきませんでした。その日の午後には、株価が五二二円まで下落したので、中田さんは慌ててY商事に電話したところ、「担当者は外出中でおりません」と言われ、取り次いでもらえませんでした。

不動産担保金融の悪質商法の手口

不動産担保金融と悪質商法の手口の実例(改正貸金業法施行前のケース)
企画会社を経営する増田さん(仮名・五六歳)は、公庫から住宅ローンの借入のほかに、消費者金融会社のA社とP社からも借入をしており、総額八五〇万円の借金を抱えていました。その頃、B社から自宅宛に再三ダイレクトメールが送られてきており、その広告内容を見てみると、「超低金利、年率六・七%、最長期間五〇年のローン」という喉から手の出るような内容でした。うまい話だと内心思いつつも、もし広告通りの内容であれば、支払を一本化して、楽になれると思い、B社の事務所を訪問しました。

B社との間の話で、増田さんは「現在ある数社からの借入を一括して返済できるだけのローンが組めればよい」と言いましたが、「余裕をもった額で借入してもらいたい」と担当者から言われ、その言葉に従い、結局、一一〇〇万円を借入れました。借入条件は、極度額三〇〇○万円の根抵当権の設定、利息は広告にあった年利六・七%ではなく九・二%、しかも借入金額に対する五%の融資手数料まで要求されたのです。増田さんは、「広告と違う」と言いましたが、「増田さんの現状からするとこれが精一杯の条件なので、今はこれで我慢してほしい。当面は、利息だけを支払う短期の契約で、その間に銀行ローンへ組み替えられるように手配する」ということで、五か月間の短期契約を締結しました。

五か月後の契約が切れる期限を前にB社と話合いが持たれ、担当者から、「増田さんの現状だとまだ銀行ローンへの組み替えは無理なので、もう一回短期の借入契約を継続して欲しい」と言われました。この時は、当初借入額に二五〇万円を上乗せした一三五〇万円で契約するように要求され、五か月間の短期借入契約を締結しました。この時も、借入額の五%を融資手数料として別途支払わされたほか、当初借入額の五%を弁済手数料として支払わされました。さらに五か月がたち、再度契約更新の話し合いが持たれ、増田さんが、「このままだと利息の支払いばかりが続くだけで、元本は少しも減らない。いったい銀行ローンに組み替える話はどうなっているのか」と問い質すと、担当者は、「いや、そういう話はしていない。

今回は銀行に申込みをしたいので、『Sバンク』と『K保証』の二社宛の申込書に記入してほしい」と要求されました。この時も、四五〇万円を上乗せし、借入額は一八〇〇万円とされました。結局、増田さんは、不動産を処分し返済するという状況にまで追い込まれました。B社は、「低利による長期ローン」と広告でうたっておきながら、実際には利息だけを支払わせる短期の契約をさせ、契約を更新するごとに借入額を増額させていくという方法で、担保枠いっぱいまで借りさせ、最後には担保として差し入れさせた不動産を売却して返済させるという手口で荒稼ぎをしたのです。

悪質な業者は訴えよう

「貸金業法」違反の業者
金銭貸借の場合、どうしても借主は借金をしているという負い目から、たとえば業者の取立行為が貸金業規制法に違反しているとしても、泣き寝入りしがちです。しかし、勇気をもって、「貸金業法」違反の業者に対して業務停止、登録取消の行政処分を求めることです。苦情の中立先は、監督行政庁である金融庁(各地の財務局)または都道府県貸金業指導係です。「貸金業法」は、業者を規制する法律ですが、借手の側からすれば、業者を訴えたり、監督官庁へ苦情を申し立てたりする際の重要な武器ともなります。このように、貸金業者はこの法律によって厳しい規制をうけていますので、借主としては、違反行為に対しては毅然とした態度で臨むことが必要です。

悪質商法には気をつける
多重債務者を狙う悪質商法の典型が、「示談屋」「整理屋」「買取屋」「紹介屋」といったもので、多重債務者を食い物にする存在です。「示談屋」「整理屋」の手口は、「クレジット・サラ金苦解決」「債務を一本化・低利融資」などという新聞の折り込み広告やチラシで多重債務者を集め、債務整理をするなどといって多額の手数料を取るのです。しかし、債務整理は極めてずさんで、債務者はいっそう借金地獄の深みにはまる場合がほとんどです。こうした業者の行為は弁護士法に違反し処罰されます。また、示談屋や整理屋に加担する悪徳弁護士もいます。

「買取屋」の手口は、「借入件数の多い方でも即刻融資」などのチラシや広告で客を集め、債務者のクレジットカードで家電製品などを購入させて、定価の三~四割で引き取るというやり方です。一時的には現金が入りますが、いずれクレジット会社から購入した商品価格の全額と手数料の請求が来ることになります。「紹介屋」の手口は、債権者の数や借入金額が多いため、大手消費者金融に断られた債務者に対して融資をしてくれる業者を紹介し、融資額の二~三割を紹介料として取るというものです。紹介屋は、自分が頼んだから融資してくれたように話しますが、実際には何もしていないケースもあります。一時的には現金を手にできますが、結局は二~三割紹介料に取られたうえ、その後は紹介料の分も含めて新たな借金に追われることになります。